OKRは目標達成に優れた手法!どのように運用するのか?

執筆者 | 7月 9, 2019 | GKA, MBO, OKR | コメント0件

優れた目標管理法であるOKR。しかし、こうした優れたフレームワークも適切な運用があって初めて本来の効果を発揮する。ここでは、OKRの目標設定のメリットやその設定方法、そしてその効果、運用について解説していく。

OKRで目標を設定するメリットや設定方法

OKRによる目標の設定には、どのようなメリットがあるのだろうか。ここでは、OKRによる目標設定によるメリットを、2つに分けて説明していこう。

OKRで目標を設定するメリット

企業としての目標を明確に伝えられる

OKRによって目標を定めれば個人の目標、すなわち企業全体の目標となる。そうなれば、従業員一人ひとりが企業全体の目標を理解しやすくなるので、従業員の向かう方向と企業の向かう方向とをしっかりと一致させることができる

目標に合わせて何が期待されているのか分かりやすい

定めた目標を達成するには、目標達成のために何が期待されるのかを理解する必要がある。OKRによって明確に目標を設定すれば、指針となる目標が明確になるので、必然的に何が期待されているのかも明確化させることができる。やるべきこと・やる必要のないことがはっきり分けられれば、業務内容も効率化しやすい。

目標に貢献していることを実感しやすい

1970年代の主流となっていたフレームワーク「MBO(Management By Objectives)」は、グループごとに目標を設定し、その達成度によって評価を決めるというものだった。MBOでは、目標に対しては100%の達成度が求められていたが、OKRにて要求される達成度は60~70%なので、目標達成に貢献していることを実感しやすい。また、全社でひとつの目標を共有していることも貢献度の実感しやすさを高めている。

目標を設定する方法とポイント

OKRの目標を設定する際には、設定する目標の数は3~5個程度が適切だろう。あまり目標が多すぎるとチーム全体の負担になってしまうし、ひとつの目標に集中しにくくなってしまうという弊害がある。

達成目標だけではなく、成果指標も設定する必要がある。成果指標とは、目標までどのくらいの割合を達成したかというマイルストーンであり、設定する数はひとつの目標につき3つほど、多くても4つが適している。

進捗の確認のために、定期的にコミュニケーションをとることも大切だ。OKRが最大の効果を発揮するには、各部署や個人間の緊密なコミュニケーションが欠かせない。積極的なコミュニケーションを取っていれば、遅れやトラブルに対してもすばやく対応できるだろう。

成果の確認も、OKRの効果を発揮するのに欠かせない。しかし、従来の方法とは異なり、OKRでは業務の達成度は人事評価の結果には直接つながらない。そのため、失敗やリスクを恐れずに思い切った目標設定が可能となる。

OKRで目標を設定する効果とは?

OKRによって目標を設定することによって、どのような効果が得られるのだろうか。ここでは、OKRによる目標設定の代表的なふたつの効果を解説していく。

組織の力を集中できる

いくら目標を設定しても、それに携わる人員がそれぞれバラバラの方向を向いていては目標の達成はできないだろう。しかし、OKRによって目標を明確化すれば、従業員の目指す方向を揃えることができるので、従業員全員が目標に沿って動けるようになる

また、メンバー全員が同じ方向を向いていれば、それだけひとつの目標を達成するために力を集中することができるので、目標達成の効率が上がる。大目標に到達するための小目標・中目標があまりにも多すぎたり方向性が統一されていなかったりすると、小さな目標に惑わされてしまう。しかし、OKRによって目標の数が適切な数になっていれば、そうした事態に陥ることはない。

意欲を向上させることが可能

業務に対する意欲の向上も、OKRによる目標設定の重要な効果だ。OKRは、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)と比べて目標達成による達成感をより得やすくなっており、従業員のモチベーションを大きく向上させる効果がある。

また、目標設定や振り返りを従来のような年1回ではなく、月一回から四半期という短いスパンにすることで、組織全体の業務スピードを早くすることができる。進捗管理の頻度が高くなれば、目標が形骸化せず、チーム内の信頼関係の強化や意識の向上も狙える。

OKR導入の具体的な流れ

OKRは企業でどのように導入すれば良いか、具体的な導入の流れを紹介する。

1.企業の目標を設定する(O)

OKRでは、社員、部署、組織全体など階層に分けて目標を設定していく。

まず設定すべきは、個人の目標の指針となる企業の目標だ。企業の目標をはじめに設定することによって、その後の目標設定では社員が同じ方向を向いて目標を設定できる

企業の目標を設定する際は、社員にとって理解しやすいかどうかを意識したい。目標を設定しても、わかりにくい目標であると、個人の目指すべき方向は定まらなくなってしまうだろう。

社員にとってわかりやすい目標にするには、社員から設定すべき目標を募って、企業の指針にあった目標を選択するのもひとつの方法だ。

2.企業の成果指標を設定する(KR)

OKRは、Objectives(目標)と、目標に関連するKey Results(成果指標)を設定して、企業の成長を促進する目標管理手法である。

企業の目標であるObjectivesを設定したら、目標に近づけるようにするため、企業の目標をより現実的なものにしなくてはならない。

目標を現実的なものにするための指標が、企業の成果指標(Key Results)である。成果指標は、目標と関連性の高いものにすることが重要だ。

数値的に測定できる目標に関連する指標を挙げ、その中から目標達成に欠かせない指標を厳選して、最終的には3~5程度に成果指標を絞り込む。

3.チームと個人の成果指標を設定する(OKR)

組織全体の指針になる企業の目標と成果指標を定めたら、組織の目標と関連付けるようにして、段階的に目標と成果指標(OKR)を設定していく。チームから個人へ、集団から個々の流れで設定していくのがポイントだ。

目標と成果指標を設定する際は、はじめに設定した企業の目標と整合性のあるものにする。OKRでは、企業とチーム、社員個人が、共通する大きな目標のもと、連動して動けるようにすることが重要だからだ。

目標設定に関しては、現実的ではあるものの、達成の難易度が少し高いものにするのがコツである。100%達成できる目標ではなく、達成率が60~70%程度の目標にすることによって、社員のモチベーション維持と向上に役立つ。

4.ミーティングとフィードバックを定期的に実施する

目標を設定しても、目標が形ばかりになってしまったのでは、OKRを活用する意味はなくなる。チームが、社員ひとりひとりが、目標を意識して仕事に取り組めるように、定期的にミーティングを行う

ミーティングやフィードバックの時間は、目標設定が適切か、達成に向けて進捗に問題はないか、適宜方向性を確認する。個人と企業の成長がつながっているかどうか確認するために重要だ。

OKRでは、ミーティングやフィードバックを定期的に行うことが望ましい。そもそも短いスパンで目標を設定する手法なので、週1回など高い頻度で実施するように心がける。

OKRで決めた目標を効率よく運用するには

目標達成にあたってOKRを活用するメリットや効果については少しイメージできたのではないだろうか。OKRは、確かに社員全体が目標に向かって進むのに効果的ではあるが、運用が滞ってしまっては、その期待される効果は得られない。

OKRを活用して効率よく運用することも考えていくべきだ。効率の良い運用のポイント2つをここでは紹介しよう。

社内のコミュニケーションを活性化させる

OKRはもともと、社内のコミュニケーション活性化にも役立つとされている。OKRが設定する個人の目標がチームの目標につながっているためだ。

しかし、いくらコミュニケーションの活性化に役立つからといって、OKRの導入だけに丸投げするのは良策とはいえない。コミュニケーションの手段が未整備だと大きな効果は期待できないためだ。

OKRは企業の目標にもつながる目標設定方法なのだから、チーム内だけでなく、部署間の垣根を超えたコミュニケーションの環境を整えるのが、スピーディーな目標達成には良いだろう。

共通する目標を持った仲間が目に見えることで、お互いが切磋琢磨し合って、目標達成に向かった組織としての取り組みが実現できる

進捗状況を管理する

OKRの個人目標が全体につながっているからこそ、お互いがどれくらい目標を達成したか知ることは、社内での一体感を形成するのに重要だ。全社一丸となって目標に向かえるようにするためにも定期的に進捗を管理するべきだろう。

社員同士がお互いの進捗を確認できるようになれば、遅れが出ている社員に対してはフォローすることもでき、目標を妨げる要因があれば解決策も提案しあえる。多くの社員が進捗を共有できるようにするためにもツールの活用がおすすめだ

目標達成や進捗状況の確認には、社内SNSのGoalous(ゴーラス)が役立つ。Goalousは、OKRの上位互換であるGKAを採用したツールだ。

GKAは、OKRの概念を活用しながらも、より柔軟性のある目標達成を実現した手法である。OKRでは個人、チーム、企業などそれぞれに目標を設定するが、GKAではトップまで目標で縛らない。

目標を状況に合わせて柔軟に変更できるようにするために、上位に設定するのは企業のビジョンのみだ。あとは、チーム単位などでビジョンに合った目標を設定する。企業の向かう先と社員の向かう先が同じという点はOKRに共通している。

Goalousでは、一人ひとりがチームのゴールを達成できるようにするため、日々の行動をフォトアクションで共有できる。お互いの状況や進捗を視覚的に共有できるだけでなく、チャット機能でコミュニケーションの活性化を図ることも可能だ。目標管理のために、一度Goalousを試されてみてはいかがだろう。

Goalousを使った目標設定は無料のウェビナーでも解説しているので、そちらもぜひご覧いただきたい。

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まとめ

OKRによる目標設定の代表的なメリットは、「企業としての目標を明確に伝えられる」「目標に合わせて何が期待されているのか分かりやすい」「目標に貢献していることを実感しやすい」という点にある。

しかし、目標の変更が容易でない点にOKRのデメリットがある。企業での目標達成を加速化させたいなら、OKRのデメリットを補完したGKAをベースにしたGoalousで、情報の共有をしよう。

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