OKRはメリットだらけ?成功する目標設定のポイント

執筆者 | 7月 4, 2019 | GKA, OKR | コメント0件

現在注目を集めている企業の目標管理手法であるOKR。OKRを導入することで、どのようなメリットがあるのだろうか。ここでは、OKRのメリットや、OKRの活用を失敗しないための導入方法などについて見ていこう。

OKRとは

導入の前に、OKRとはなにかをしっかり理解しておく必要がある。
OKRとは「Objectives and Key Results」の頭文字を取った略語で、日本語では「目標と主要な成果」となる。OKRは、企業やチームなどの目標を設定し、それらを達成するための企業メソッドである。

Objectivesとは会社全体の達成目標、Key Resultsとは部署や個人ごとに設定された主要な成果である。OKRの基本的な考え方は、Key Resultsを達成することによってObjectivesが達成されるというものだ。つまり、OKRの仕組みは、企業全体の達成目標と、企業内の各部署・各個人の目標と実現させる結果を結びつけるというものである。

企業にはそれぞれの業務内容に合わせた達成目標があるが、OKRはその達成目標を設定するために運用されるフレームワークである。企業の目標が設定されていても、企業内の従業員の業務内容がそれから外れてしまっていては意味がない。OKRは企業の目標と従業員の目標を合致させることで、目標達成に向けて企業全体で強力な一体感を持って業務を進められるようにするために、大きな効果をもたらしてくれるのである。

OKRのメリット

OKRを導入することで、どのようなメリットが得られるのだろうか。ここでは、その代表的なメリットについて解説していく。

OKRのメリット1:組織の団結力が向上できる

組織の規模の大小にかかわらず、目標がはっきりしていなければ、従業員は自分たちが今なにを目指して業務を行っているかがわからなくなってしまう。

しかし、OKRを導入することによって企業全体の目標および各部署や個人個人の目標を明確化すれば、組織全体が今なにを目指しているのか、従業員一人ひとりがしっかりと把握できる。

また、共通の目標を目指していれば、企業内のコミュニケーションの活性化も期待できる。共通のやるべきことが明確化されれば、自然と個人レベルの連携ルートが構築されるので、それに従って社内の結束が強化されていくのだ。

いくら業務を一生懸命やっていても、やらなくていいことをやっていては意味がない。目標が明確化されれば、必然的にやらなければならないこととやらなくていいことが見分けられるようになるので、業務の効率化が図れるのだ。

OKRのメリット2:個人の目標が設定できる

OKRの大きなメリットのひとつが、企業全体のマクロな目標だけでなく、個人単位のミクロな目標も設定できる点である。組織全体の大きな目標が明確化できれば、その目標を達成するための小目標も必然的に見えてくる。個人の目標が設定できれば、業務内容から無駄がなくなり効率化が図れるほか、従業員一人ひとりが共通の目標に向かって業務を進めていくという連帯を考えられるだろう。

また、定期的な個人面談を行ってOKRの見直しをするのも有効だ。設定された企業の目標と個人の目標にズレが生じていないか、目標設定が妥当なものであったかなどを定期的にチェックすることで、致命的なズレが生じる前に容易に目標の修正をすることができる。

目標だけでなく、目標達成までの期限を設定することも大切だ。期限がないとどうしても業務に向かう姿勢がだらけてしまう。しかし、明確な期限を切っておけば目的意識が強くなり、業務の優先順位も決めやすくなる。

OKRのメリット3:より高い目標を設定できる

現状に即した無難な目標でなく、より高い目標を設定できる点もOKRのメリットだ。OKRはそもそも、達成できる目標を設定するようなものではない。

組織が目標に向けて柔軟に動けるように、あえて少し高めの目標を設定している。簡単に目標を達成してしまい、目指すべき目標を見失うということはOKRではないだろう。

また、OKRで設定した目標は、達成しなかったからといって問題があるわけでもない。そもそも、OKRは100%達成を目指す目標ではなく、70%程度を妥当な達成度合いにしている。達成できなかったからといって、そこまで気負う必要はないのだ。

100%達成が絶対ではない、柔軟性をもった高い目標だからこそ、過度にストレスを負うことなく目標に向けて進めるメリットがある

OKRのデメリット

ここまで、OKRのメリットについて触れてきたが、いくら多くの企業が取り入れているからといって、万能な方法ではない。OKRを誤って取り入れたり、軽い気持ちで取り入れようとしたりすると、思わぬデメリットを感じることもある。

社員のモチベーションが下がる可能性がある

MBOなどが多くの日本企業で取り入れられてきた経緯もあり、目標は達成しなければならないものと理解している社員も多い。

MBOなどの従来型の目標管理から、OKRに切り替えようとしている企業にとっては、かえって社員のモチベーションを下げる原因になることもあるだろう。

OKRは、簡単に達成できないような目標を設定するためだ。そのため、目標達成はするものという概念のままだと、社員のストレスはかえって増えてしまう。

OKRを取り入れる際は、従来とはまったく異なる目標として考えること、100%達成が必要な目標でないことなど、OKRの考え方を社員によく伝えておく必要がある。

定着には時間や手間がかかる

OKRは、従来とは異なる考えの目標管理の手法である。階層式に目標を連動させる方法、高い目標を設定する方法であるため、いきなり導入すると戸惑う社員も出てくるだろう。従来とは目標管理が大きく変わるためだ。

従来と異なる部分も多いため、導入から社内に浸透するには手間も時間もかかる。OKRを定着させるには、OKRの意味や意図を理解してもらうために社員に周知することも必要だ。早く定着させるには、経営陣の協力も仰がなければならないだろう。

OKRを成功させるためのポイント

OKRは、仕事の効率化や組織内の連携においてメリットのある方法だ。OKRを取り入れることによって、革新的な組織に成長することも可能になるだろう。ここでは、OKRを成功させるための5つのポイントについて紹介する。

少し高めの目標設定

目標を設定するとき、ほかのやり方では達成できる目標、あるいは達成可能な目標を設定することが多い。

OKRでも目標を設定するが、OKRの目標(Objectives)の設定は現実的であることがポイントだ。現実的に達成することも可能な野心的な目標設定が理想とされている。

しかし、現実的という部分にフォーカスしすぎると、設定する目標が達成しやすいものになって、野心的とはいえない。目標を設定したところで、期待するように生産性は上がらないだろう。

一方で、野心的過ぎる、達成まで高すぎる目標も問題だ。目標が高すぎると、はじめから達成することが非常に困難だとわかっているので意欲が湧かなくなってしまう。

OKRの目標設定は、少し高いくらいが良い。全力で取り組んで6~7割達成できるくらいの目標が理想的だといわれている。

進捗状況の可視化

OKRで設定した個人の目標は、個人がそれぞれ達成できるよう努力するだけでは十分といえない。OKRでの個人の目標は、チームの目標にも、組織全体の目標にもつながっている。目標同士のコネクションを活用しない手はないだろう。

意識したいのは、目標とそれぞれの目標に対する進捗の可視化だ。進捗が見えるようにすれば、個人、あるいはチームが目標に対してどれくらいの位置にいるかメンバー全員が把握できるようになる。

業務の進捗が共有できれば、何に重点的に力を入れれば良いかが明確になり、目標達成のためのコミュニケーションも促進されるだろう。

進捗の可視化はさまざまな方法で可能だ。アナログなものならホワイトボード、デジタルを活用するなら社内管理システムなど、自社にとって最適なツールを使って可視化する。

業務内容を整理しておく

Key Resultsは、OKRの概要でも説明したように目標(Objectives)に紐づく主要な成果である。Key Resultsの成果が上がれば目標達成に近づく仕組みだ。

OKRでは、目標は数値で測れるようなものでなくても良いが、Objectivesと関わりの深いKey Resultsは数値で測れる定量化したものにすべきとされている。

しかし、定量性のあるKey Resultsを設定するといっても、業務内容がうまく把握できていないと設定するのも難しいだろう。意味のあるKey Resultsを設定するためにも、業務内容の整理を行うことが重要だ。

そして、Key Resultsを設定したら、業務内容を整理することでわかった、OKRに影響する業務を優先的に整理し、実行できるようにする。

OKRで設定した目標達成に少しでも近づくには、ムダをできる限り排除し、OKRに関係する業務に集中することを意識したい。

OKRのサンプルテンプレートを使う

OKRをうまく利用するためには、サンプルテンプレートの利用が有効だ。テンプレートを利用すれば、業務内容や目標に合わせて項目を選んでいけば、手軽にOKRを導入することができる。こうしたテンプレートをフレームワークとして利用すれば、OKRの効果をうまく引き出せるだろう。

OKRのサンプルテンプレートは、ネット上で探すことができる。OKRの運用の効率化やクラウド上でのOKRの運用を考えているなら、サンプルテンプレートの利用は非常に有効だ。ただし、大きな組織ではサンプルテンプレートをそのまま利用するだけではうまく浸透しないこともあるので注意しよう。

OKRが活用できる管理ツールを導入する

OKRを有効活用するためには、そのための管理ツールが必要だ。

SNS型目標管理ツールGoalous(ゴーラス)について紹介しよう。Goalousは、大きな目標をチーム内で共有することができ、社内SNSとしての機能を持つ。目標への活動プロセスを写真でサクッと共有するフォトアクションと、それに対していいねやコメントを残すことでチームのモチベーションを向上させることができる。

Goalousを活用すれば、チーム内での共通理解を深めることができ、自分の所属しているチームが何をしているのかわからない、業務のゴールがわからないといった事態を改善できるのだ。

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まとめ

OKRとは「Objective Key Result」の略で、日本語では「目標と主要な成果」である。その導入の代表的なメリットとしては、「組織の団結力が向上できる」「個人の目標が設定できる」が挙げられる。OKR導入を成功させるためには、目標設定や部下の業務内容にも気を配ることやサンプルテンプレートの利用や管理ツールの導入が有効だ。
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