常に進化する企業を目指すならティール組織が理想的

執筆者 | 4月 23, 2020 | GKA, OKR, マネジメント, 組織改革 | コメント0件

昔ながらの慣習で部下の意見が聞き入れられない企業は少なくない。これにより部下が主体性を持って行動できなくなっていることに、危機感を抱くマネージャーもいるのではないか。ここでは、組織の形態として注目されているティール組織について解説する。

ティール組織とは

ティール組織は、長年組織変革に携わったフレデリック・ラルー氏が提唱した組織理論のこと。ラルー氏は、組織モデルを色分けしており、ティール(青緑色)が同氏の提唱する組織の最新モデルによることから、このように名付けられた。

簡潔に説明すると、ティール組織は、経営者や上司が部下を管理するのではなく、個々が意思決定権を持ち、それぞれが目的に向かって進化し続ける組織である。

ティール組織に発展するまでの5つの段階

ティール組織は、前述したとおり最新モデルの組織の在り方であり、組織発展の最終段階だ。そこに至るまでいくつかの段階があり、同理論では組織の段階をティール組織含め5つに分けている。もっとも原始的とされるRed組織から組織の形をみていこう。

Red組織(衝動型組織)

Red組織は古くからある組織形態だ。その仕組みは、圧倒的な力を持つ個人が組織を支配するものである。強者が弱者を従えるような構造から、オオカミの群れとも比喩される形態だ。支配者となる個人に大きく依存することから、再現性や組織としての持続性はない。

Amber組織(順応型組織)

Amber組織は、Red組織に権力や階級を取り入れた組織形態だ。ヒエラルキーによって、個人の役割は明確になり、誰が誰のトップなのか指揮系統もはっきりしている。軍隊とも比喩される形態だ。

Red組織のように支配的な立場の個人に依存度が集中しないため持続性はあるが、変化には弱いため、スピード感のある時代への対応は難しい。

Orange組織(達成型組織)

Red組織のようなピラミッド型のヒエラルキーを残しつつも、流動性を可能にしたのがOrange組織だ。Orange組織では、成果を出せば上層に上がることができる。数値によって個人が管理されるため、機械にも比喩される組織形態だ。

Amber組織と異なり、組織内の変動を可能にしたことから、組織内も活性化されるようになった。しかし、競争を強いられる組織形態であることから、人間らしさの喪失になりかねない。

Green組織(多元型組織)

組織のヒエラルキーを残しつつも、個人を尊重しようとする組織形態をGreen組織という。組織のトップの主な役割は働く環境を整えることであり、構成員にはある程度の裁量が与えられる。協力の姿勢が重視されることから、家族とも比喩される組織形態だ。

Green組織では、構成員の主体性を育み、多様性を尊重できるものの、ヒエラルキーが完全になくなってはいない。最終的な組織の決定権限の多くはマネジメント側が持っている。

Teal組織(進化型組織)

Teal組織は、社長や従業員など、組織内のすべての人が一部であると考える組織形態で、生命体とも比喩される。そこに従来のヒエラルキー的な仕組みはなく、それぞれが与えられた役割を個々の考えや行動によって果たす。

組織には、リーダーやマネージャーのような指示命令を与えるような構成員が存在しないのが特徴だ。メンバー自身が役割を理解し、目的のために自己成長を続けられる。

ティール組織を実現するための3つの要素

ティール組織は、従来の組織形態と大きく異なるために、その実現は容易ではない。ここでは、ティール組織へ進化させるための突破口ともいえる要素を解説する。

自主経営(セルフマネジメント)を行う

ティール組織を実現するには、自主経営の仕組みを取り入れることが不可欠だ。これは、主体性を持った社員個人が意思決定をし、他者は意思決定にかかわるのではなく助言をする。重視されるのはあくまで個人だ。仕組みを確立するには、経営者側は社員を信頼しなければならない。

存在目的を持つ

ティール組織は、組織の目的に基づいて個々が意思を持って動く。つまり、組織は存在目的をはっきりと示しておく必要があるということだ。しかし、変化の多いビジネス界で常に同じ目的だと時代に乗り遅れてしまう。組織の変化に合わせて目的も変化させていくことが重要だ。

全体性(ホールネス)を保つ

個々の能力を最大限に発揮できるようにするには、会社が率先して多様性や個々を受け入れる姿勢を示すことが重要となるだろう。たとえば、メンバーのライフスタイルに合わせて出勤時間を柔軟にしたり、ペットも会社に連れて来られるようにしたり、さまざまな取り組みがある。

ティール組織で誤解されがちな点

ここまでティール組織について解説したが、ティール組織は新しい組織形態であることから、誤解されていることもある。ここでは誤解されやすい3つのポイントを解説していこう。

①ティール組織がどの組織形態よりも優れている

組織形態の発展の過程でティール組織はより新しいものではあるが、どの組織においても優れているとは限らない。たとえば、警察など指揮系統を明らかにする必要があるような組織には適応しないだろう。目的や構成員によっては、別の組織形態を選択した方が良いこともある。

②小規模の企業やスタートアップでしか適用できない

小規模企業や、組織形態の切り替えの問題でスタートアップ企業でないとティール組織は適用できないと誤解されやすいが、企業の規模、業種問わずティール組織は存在する。大規模な組織、すでにほかの組織形態があるケースでも、信頼関係を構築できれば実現可能だ。

③ティール組織になるための手法がある

ティール組織がどういった組織かは明示されているものの、そこにたどり着くための具体的な手法は存在しない。ティール組織になった企業のほとんどは、理想的な組織を目指した結果、そこに行き着いたためだ。

ティール組織のように個人の主体性を会社の活性化につなげたいなら、自社にあった方法を考えるべきだろう。

社内SNSのGoalous(ゴーラス)は、一人ひとりが目標に向かってアクションを起こす機能が備わっている。活用することで、社内の一体感を生み出せるだろう。目標までのプロセスでアクションを共有することによって、新たなアイデアにもつながる。

企業の発展に貢献し、ティール組織形成の基礎にもなるのではないだろうか。組織改革で会社の活性化を図りたいなら、Goalousの導入をぜひ検討していただきたい。

まとめ

ティール組織は、ひとつの生命体のような、一体感のある組織で、個々が主体性を持てる組織形態だ。従来型の組織の在り方でうまく仕事が回っていないなら、今こそ組織改革を行うときかもしれない。

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