【外国人雇用の課題は山積み?】働きやすい環境をつくるにあたっての注意点

執筆者 | 5月 11, 2020 | グローバル, マネジメント, 人事評価 | コメント0件

経済のグローバル化によって、ビジネスの対象が海外にまで広がるようになった。国際間の競争は増したものも、企業規模に限らず海外を対象にしたビジネスの機会は増えたといえるだろう。事業拡大にともない、海外に第二の拠点を作る企業もいまや珍しくない。

海外展開において検討事項に入ってくるのが、外国人雇用だ。これまで日本人雇用がほとんどだった企業にとっては外国人の受け入れは大きな課題となる。ここでは、外国人雇用を成功に導くためにどうすれば良いか、受け入れ準備と注意点を紹介する。

受け入れ体制の万全が外国人雇用成功への近道

外国人を受け入れる前に、会社ではどのような準備を整えておくべきか、まずは主な準備3つをみていこう。

多様性を受け入れる文化を作る

日本人と外国人とでは、バックグラウンドが大きく異なる。言葉だけでなく、文化も慣習も日本とはまったく違うことを理解しておくべきだ。

しかも、外国人に対しての理解は、経営陣や管理職などの上位職だけでは足りない。実際に働く日本人社員にも、どんな文化や習慣があるか広く共有し、多様な価値観を受け入れるよう知らせておくべきだろう。

外国人に対しても日本の文化や会社の慣習を知ってもらえるように、外国人の母国語で説明書類を作成したり、マニュアルの翻訳を行ったり、必要な整備を進めておかなければならない。

納得のいく評価制度を整備する

海外では成果主義が採用されることも多く、その傾向から、どうすれば給与がアップするか、会社に入ってどんなキャリアアップができるか重視する人は多い。

しかし、日本企業で採用されている人事評価制度の多くは、給与アップにつながる行動を明確に示しておらず、何をどうすれば評価につながるか不透明だ。これでは、人事評価に不満が募り、せっかく雇用した外国人も会社を離れてしまうかもしれない。

外国人が納得して働けるようにするためには、今一度人事評価制度を見直す必要があるだろう。人事評価制度は、透明性や公平性が高く、何をすれば評価されるか明確で、かつシンプルなものでなければならない。同時に、キャリアアップも明確に示すべきだ。

日本語学習の場を設ける

雇用する外国人の日本語レベルが決して高いとは限らない。コミュニケーションの妨げ要因を取り除き、意思疎通を円滑にするためにも、雇用する外国人に日本語教育を行えるような準備も進めておくべきだ。

自社で日本語研修をする場合は、特に仕事中に使う言葉を重点的に教えられるよう準備しておく必要がある。自社での教育が難しいとき、自社だけでは足りないときは、自治体やNPOなどの日本語教室の利用も検討するべきだろう。

外国人と働くにあたっての注意点

外国人を雇用する前の準備について紹介したが、これだけで十分といえない。トラブルを未然に防ぐための、外国人雇用の注意点2つを確認していこう。

日本の文化を押し付けない

日本と海外で仕事の進め方や習慣が異なるのは当たり前のことだが、本当の意味で日本人社員が理解できないと、外国人にとっては日本文化の押し付けになってしまう。

社内のルールを守るように促すことは重要ではあるが、何でも日本人社員と同じように仕事をさせようとすると、外国人にとってはストレスだ。文化の違いを考慮しつつ、ある程度柔軟に対応できるようにしておきたい。

仕事のルールを明確にしておく

外国人を雇用する場合は、社内でのコミュニケーションをどうするかも明確にしておきたい。会話ばかりに頼ってしまうと、コミュニケーションの上で理解にずれが生じることもある。

これを防ぐには、必要な部分は書面で伝えるようにすることだ。すぐに仕事の中で活用できるよう、フォーマットを作成しておくと良いだろう。コミュニケーションの方法は、社内だけでなく、取引先の人も交えたときにどうするかも事前に考えておく。

外国人とスムーズにコミュニケーションを取るためのポイント

外国人雇用における準備と注意点を紹介したが、なかでもコミュニケーションの問題は仕事にも直接影響しやすく、早急な改善が求められる。もう少し詳しく、外国人とのコミュニケーションのコツをみていこう。

指示するときは具体的に伝える

日本はハイコンテクストな文化が浸透しており、すべて言葉にしなくても意図が伝わることは多い。相手の言いたいことを想像し、理解する習慣が身についているためだ。

しかし、日本以外で、言わなくても伝わるといったコミュニケーションはほとんど成立しない。日本以外の国では、自分の主張したいことは口にする習慣があるためだ。

必要なことは具体的に説明する習慣があるため、日本人のあいまいな指示は外国人には伝わりにくいうえに混乱を与えてしまう。コミュニケーションを円滑にするためにも、指示は具体的かつシンプルに伝えるべきだ。

ジェスチャーやツールを交えて会話する

口頭で伝わりづらい部分は、ジェスチャーも手助けになる。ただし、日本とはジェスチャーの意味が異なることもあるため、相手にとってどのような意味に受け取られる可能性があるか事前に知っておくことが大切だ。

口頭やジャスチャーでも難しい場合は、多言語に対応した翻訳アプリや電子辞書などのツールも役立つだろう。

目標管理ができる社内SNSのGoalous(ゴーラス)には、翻訳機能も搭載されている。使用する言語が異なっても気軽にコミュニケーションが取れるようになる。

これまでは、どちらか一方の言語に合わせるのが一般的だったが、母国語を使えるので、より細かなニュアンスも伝えられるようになる

さらに、Goalousは写真付きアクションの投稿も可能なツールだ。視覚的なサポートで外国人とのコミュニケーションにも役立てることができるのではないだろうか。

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