組織マネジメントで企業の成果を上げる!特徴やメリットを解説

執筆者 | 11月 21, 2019 | マネジメント, 組織改革 | コメント0件

組織マネジメントは、会社全体の業務をスムーズに進めるために欠かせないもののひとつだ。

適切に組織マネジメントを行えば、効率や社員のモチベーションを引き出すことができるため、企業全体の成果や収益にも影響を与える。

では、組織マネジメントはなぜ必要とされており、どのような方法で行えば良いのだろうか。

この記事では、組織マネジメントを行うべき理由やメリットと、組織マネジメントを成功させるために必要な要素について紹介する。

組織マネジメントとは

組織マネジメントとは、会社の資源、人材、リスクを管理すること。組織運営を円滑にするためのもので、経営者または管理職によるマネジメント手法である。

目標を立て、秩序をもって組織を管理し、最終的には社員のモチベーション維持やパフォーマンス向上を図っていく。勢いだけで組織を引っ張っていく方法とは異なり、そこには目標達成のための具体的な戦略や展望があるのが特徴だ。

プロジェクトチーム、あるいは会社全体など、組織運営をスムーズに行う能力として、組織を管理する人に求められる。

なぜ組織マネジメントは必要といわれているのか

組織マネジメントが必要とされている背景には、効率的な組織運営が求められている現状がある。

近年、グローバル化やイノベーション化、少子高齢化による人手不足などの影響もあり、企業間の競争が激しくなっている。

そのため、より効率的な組織運営を行わなければ、企業間競争において勝ち抜いていくことができない

業務の進行が非効率な状況になっている場合、組織マネジメントがうまくいっていない可能性がある。

そのため、組織マネジメントは、業務効率化により最大限のパフォーマンスを引き出しながら企業間競争を有利にするために必要だといえるだろう。

組織マネジメントを行うメリット

組織マネジメントを行うことで得られるメリットのひとつは、管理職がマネジメント力を向上できることだ。ただチームの状況を確認するだけでなく、そこにマネジメント手法を取り入れることで組織運営にプラスになる。

また、マネジメントで組織の適正化を図ることによって、実質的な管理職の負担軽減も可能なのだ。

さらに、組織マネジメントは、チーム内の個々人の能力を活かすことによって組織を活性化させることなので、多様な人材に合わせたマネジメントにも効果的。グローバルな人材だけでなく、近年の多様な働き方を選択する人材もうまく取り込める。

このように、管理職の負担を抑えつつ、個々のプレイヤースキルを活かしながら組織としての力も伸ばせるのが、組織マネジメントのメリットである。

組織マネジメントの基礎-組織の7S-

組織マネジメントを理解するうえで重要なのが、7Sといわれる要素である。世界的戦略コンサルティングファームが提唱した概念で、組織マネジメントでは7Sの各要素とそれぞれの関係性が重視される。企業の構造にかかわるハード面の3Sと感覚的なソフト面の4Sのそれぞれの要素について見ていこう。

ハードの3S

では、ハード面の3Sとは具体的にどのようなものなのか。この項では3Sについて詳しく解説する。

・戦略
戦略(Strategy)は、事業の方向性や経営課題解決を指す。チーム単位でみると、今後のサービスを考える事業戦略、事業運営のための機能を考える機能戦略が挙げられる。ハードの組織とシステム、ソフトの価値観と密接に関係する要素だ。

・組織
組織(Structure)は、企業あるいはチーム内の組織構造を指す。ハードの戦略とシステム、ソフトの価値観と人材に密接な要素だ。組織の構築は主に、目的ごと、あるいは意思決定のある部署ごと、プロジェクトごとで行っていく。

・システム
システム(System)は、組織の活動を円滑にするためのルールや仕組みのこと。人事評価や業務管理などのシステムも含まれる。ハードの戦略や組織、ソフトの価値観やスタイルにかかわる要素だ。

ソフトの4S

では、ソフト面の4Sについても詳しく見てみることにする。

・価値観
価値観(Shared Value)は、企業あるいは組織内で共通する理念で、組織そのものが存在する意義となる。7Sのうち中核を成す要素で、ほかの6Sすべてにかかわる。

・スキル
スキル(Skill)は、企業の利益に直結するような要素で、組織内で働く個々の能力のほか、提供するサービスのマーケティングや販売力も指す。ソフトの価値観、人材、スタイルと密接にかかわりがあり、スキルに優位性があれば、同事業や組織と比較し高い競争力を得ることが可能だ。

・人材
人材(Staff)は、組織の価値観を共有する、組織における重要な資源である。ハードの組織、ソフトの価値観やスタイル、スキルとかかわりがある。

・スタイル
スタイル(Style)は、組織内の環境や仕事のやり方など、組織の特色を示すもの。ハードの組織、ソフトの価値観やスキル、人材に密接に関係してくる。

組織マネジメントでは、それぞれの要素を理解しつつ、相互の影響を考えながら、変更することによって効果が期待できるハード面をしっかり構築することが大切である。

そのほか7S以外に確認する管理対象

組織マネジメントでは、7S以外にも確認しておくべき管理対象がある。

「時間・ヒト」「モノ・カネ」「情報」「商品や顧客などの資源」の4つは、組織マネジメントにおいて管理すべき重要な項目になるため、適切に管理していきたい。

時間・ヒト

組織マネジメントでは、管理者自身と組織全体の時間管理が必要になる。スケジュール通りに業務を進め、目標達成を目指す際にも欠かせない。

時間の管理は組織マネジメントにおいてもっとも難しい管理対象だといわれており、時間の管理状況は業務効率にも直結する

時間の管理を適切に行うにはヒトの管理が重要で、マネジメントを行う組織メンバーの進捗状況を把握することも必要だ。

モノ・カネ

組織マネジメントでは、モノやカネの管理も必要になる。

モノの管理は生産効率の向上につながるもので、ツールや手順を標準化して属人化を解消させ、誰が担当しても一定の生産性が維持できるような仕組みを構築することが重要だ。

「成功報酬」「不成功減収」など、社員のモチベーションをカネで引き出す、設備投資によって業務の標準化を行うなど、モノとカネを管理することは欠かせない。

情報

インターネットの出現によって、近年では情報管理の重要度が増している。情報漏洩は企業の収益損失にもつながるものだが、オフラインよりもオンラインのリスクが高い場合がある。

ハッキングなどの脅威につねにさらされているためで、情報の管理は組織マネジメントにおいてとくに重要な要素のひとつだ。

また、経営に関わる大きな機密だけでなく、個人情報などの漏洩にも注意したい。従業員間で必要以上に個人情報のやり取りを行わないようにするなど、対策を講じる必要がある。

組織マネジメントでは、とくに取り扱いが難しいとされる管理対象であり、企業によって適切な管理方法を構築していくことが重要だ。

商品と顧客

商品をどのような顧客に対し、どのように提供するのかをコントロールすることで、販路の流れを管理する必要がある。

商品と顧客の流れが管理できていれば、新たな経営戦略を立てる際に企業間競争において優位に立てる場合があるためだ。

商品と顧客を適切に管理するには、展開チャネルや価格戦略を見直す、顧客戦略マネジメントによって長期的な見込み客を育てるなどの方法が有効になる。

営業や広報活動なども含め、商品と顧客をどのように管理し、どのような販路の流れを作るかをイメージすることが重要になるだろう。

組織マネジメントに必要なスキルは?

ここまで説明してきた組織マネジメントの7Sは、あくまで組織を分析するための要素であって、分析できたからといってすぐに組織運営に活かされる訳ではない。各要素を分析した上で、組織をうまく動かし、目標を実現できることが重要だ。

この目標実現が管理職にとって核であり、実現のためには相応のスキルを持っておく必要がある。組織マネジメントで管理職が身に付けておきたい4つのスキルについて確認していこう。

目標設定力

目標設定力とは、組織の目標を理解し、達成できるように計画、管理していくことである。このように、管理職においては個人ではなく、組織全体を意識した目標設定のスキルが必要だ。

なお、組織マネジメントの手法には全体の目標を立てた上で、個人でも目標を立てさせ、管理職が目標に向けて適切に仕事が進んでいるか、無理な目標になっていないか管理する方法もある。こうした個々の目標は個人のモチベーションアップにつながるが、これには全体と個々のバランスを考慮できる目標設定力が必要になる。

人材マネジメント力

人材が豊富にあったとしても、人材を活かしきれず持て余しては、良い組織マネジメントが実行されているとはいえない。人材マネジメントとは、個々の能力を把握し、適切な場所や位置に人材を配置することである。

人材の異動や配置だけに限らず、評価や昇進など人材へのアプローチ、個々が積極的に動けるための動機的アプローチも人材マネジメントに含まれる。

管理職においては、メンバーの能力に合わせた支援を行うこと、個々のプラスとマイナスを考えた上での人材の評価や配置のスキルが重要となる。

コミュニケーション力

高いコミュニケーションスキルも組織マネジメントを成功に導くには重要な要素だ。組織内でのコミュニケーションがうまくいかないと、組織の価値観や目標に整合性が取れなくなってしまう。

管理職は率先して部下とのコミュニケーションを図り、目標や方向性にずれがないか確認し、ずれがあればその都度意識の共有を図ることが大切だ。

しかし、企業においては、部下とのコミュニケーションだけで組織マネジメントがうまくいく訳ではない。現場だけでなく、管理職は経営側の意思や方向性もくみ取り、しっかりコミュニケーションを図ることが求められる。

経営側とは、現場での状況を共有すること。さらに、経営側の目標が現状に対して困難な場合、報告をしつつ改善を求めるなど、組織の上から下まで目標に向けて業務が円滑に進むよう、橋渡しとしての役割が求められる。滞りなく役割を遂行するには、高いコミュニケーションスキル、そして双方との信頼関係が大切だ。

計画遂行力

組織マネジメントでは計画設定力が必要と説明したが、合わせて計画遂行力も必要だ。計画遂行力とは、目標達成のため、工数や必要な時間を把握して、着実に遂行していく能力のこと。

当初立てた計画がスケジュール通りにならないこともあるため、現状を踏まえつつ、目標に向けてのスケジュールを調整していかなければならない。そのためには、人材配置の変更、客先との打ち合わせなど、さまざまな調整がともなう。

このように、管理職による組織マネジメントにはいくつかのスキルが必要である。しかし、これらのスキルをまんべんなく育てていくのは大変だ。管理職の仕事を軽減し、スキルを補うためにはツールを活用することをおすすめする。

メンバーへの評価力

組織マネジメントを行う管理職は、メンバーへの評価力も必要になる。成果を挙げたメンバーに対して適切に評価を行い、さらなるモチベーションを引き出すことが重要になるためだ。

報酬としての評価だけでなく、さらにステップアップを図る機会として役職を与えるのも効果的だろう。

評価体制が明確かつ適切に評価が行われていれば、社員の意欲が向上するため、組織全体のパフォーマンスを引き上げることができ、組織力強化にもつながる。

リスク回避力

変化の激しいビジネスシーンでは、リスク回避能力も欠かせない。問題を未然に防ぎ、トラブルや進捗の遅れなどをいち早く察知し、悪化を防ぐことが重要になるためだ。

市場環境や業務進捗のスケジュールなど、変化をいち早くキャッチする必要がある。
変化をいち早くキャッチするには、優先度の高い事柄への対策を事前に立てておくのも有効だ。
重要なのは大きな課題やトラブルに発展する前に、初期段階で手を打つことであり、リスクを想定した対策を講じておくべきだろう。
変化をキャッチするには、組織全体の進捗状況の把握や、社員間のコミュニケーションスピード向上を図るのも効果的だ。

SNS型目標管理ツールのGoalous(ゴーラス)を取り入れれば、社内SNSで目標達成までのアクションを共有でき、目標までの道のりがより明確になる。

さらにGoalousは、社員間のコミュニケーションを柔軟かつスピード感あるものへと促進させる。やりとりを通して社員の特性や個性がより分かりやすくなり、人事評価にかかる時間も半減、管理職は適切な人員配置を行いやすくなり、業務負担も軽減されることとなるだろう。
組織マネジメントをうまく機能させるためにも、目標管理にGoalousを活用してみてはいかがだろうか。
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まとめ

組織マネジメントは、管理者が直接行う業務としての管理だけでなく、ツールや環境の整備を行うのも有効な手段のひとつだ。
組織マネジメントによって業務効率化を図るには、なにが不足し、どのような対策が必要なのかを洗い出す必要がある。
管理者としてのスキルを向上させながら、社内環境を整える作業を同時に行うなど、組織マネジメントを行いやすい環境づくりも行うと良いだろう。
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