GKAとは
ゴール(目標)を「達成する」、「実現する」ために、何を定義することが必須か。
我々は、「GKA(ジーケイエー)」というゴール達成への新しいモデルを(Googleが採用していることで有名なOKRをベースに)開発した。これは、Goalousというチーム力を”たのしく”あげるツールの核である。このGKAは次の語句の頭文字をとったものである。
Goal – 目標
KR ( Key Result ) – 主な成果
Action – アクション
ゴール達成へのモデルは、「ゴール向かって進むために、ゴールへの道筋を想定し、それを進捗観察できるように示し、さらに関係者と共有する」ために作ったものだ。なお、このモデルは、OKRという思想をベースにツールとしてさらに進化させたものだ。
知ってる?OKR
OKRというのは、Objectives and Key Resultsの略で、「組織や従業員の目標をつなぎ、また達成された結果に基づき進捗を測定するベストな実践」とされ、1970年代にIntelにより創案されたモデルである。
現在では、Google, Uber, LinkedIn, Twitter, Sears, Zynga, Oracle, Yahoo!, Spotify, Box, GoPro, Flipboardなどが採用しており、少なくともアメリカの企業ではよく知られた用語だ。
より大なる組織から個人までリンクさせていく方法が一般的なようで、図解すると以下のようになる。

OKR
会社のOKRが部署OKRにつながり、最後には個人OKRまでつながっていく。すべてのロジックが上位を前提として、一貫してなければならないだろう。上から落ちてくる”やらされ”の目標になる危険性も指摘し得るが、まずは実績があるので上手く回っている企業もあると想定される。
それぞれの Objective は、具体的にはこうなる。
Company Objective:
ブランドの認知度を上げる
KR1: メディアのエンゲージメントを20%増やす
KR2: カスタマー用ツールをローンチさせる
KR3: 3つのプロダクトのホームページへの流入をそれぞれ10万View/月に増やす
Department Objective:
ソーシャルメディアのエンゲージメントを上げる
KR1: Instagramのフォロワー数を1万人以上にする
KR2: Facebookのコメント返信平均時間/weekを50%早くする
Individual Objective:
Instagramのエンゲージメントを上げる
KR1: Instagramに100件の投稿をする
KR2: Instagramの総いいね!獲得数/weekを50%増加させる
最後に、OKRの特徴はこうだ。
- シンプルに使える
- ビジョンに向かった目標を従業員に意識させられる
- 小さなタスクにこだわらずにゴールへ向かうことができる
- 従業員が組織の中で何を期待されているか意識できる
5つの特徴 – GKAはOKRを進化させた –
先に述べた通り、GoalousのGKAはこのOKRの思想をベースとしている。ただし、次の特徴を見ていただければわかるが、より進化したモデルとなっている。
1. もっとシンプルで自由である

GKA model
GKAでは、組織(会社や部署など)のゴールやKRを立てない。「ビジョンのみ」で上位概念をまとめる。ビジョンというのは、「存在意義(ミッション)をベースとした未来を創造するためのイマジネーション」のことである。自分たちは何のために存在するかという社会との約束事をベースに、夢の像を描くのがビジョンの役割である。抽象度の高い方向性を示して、ある程度の解釈の幅を許容し、従業員をワクワクさせればよいのだ。
例えば、会社のゴールを具体的にして、さらに部署のゴールを具体的にする。このようにしたら、何が起きるだろうか。少なくとも、上位ゴールの方向性や内容を間違えた場合、下位のゴールはすべて間違える。ムダに終わる。
また、上位のゴールから厳密に下位のゴールに落とし込んでいかなければならないため、ロジックの整合性を保たねばならない窮屈さがある。つまり、解釈を一意にしなければならないから、自由度が低い。同時に、上位に変更があった場合、下位をすべて変更しなければならないため、変化への適応性が低い。
したがって、OKRでよく採用されるような会社→部署→個人までの厳密なる紐付けを採用した場合は、「上から下まで正確に紐付いている」という、論理としてのキモチよさはあるが、実際は不都合が多いのではないかと考える。
さらに重要なのは次だ。
2. 内発性を重んじる

Self-Motivation
自分で決める、このことだ。強引な営業も、勧誘も、命令も、つまり誰かに言われたことというものは、内発的な動機づけを低下させる。経営陣が為すべき理想的な仕事は、従業員が「〜したい!」と強く願う環境を作ることであって、決して「これをやれ!」と押し付けることではないはずだ。
「外からの制御」が強く感じられると、内発的な動機づけは低下する。内発的な動機づけが低下すると、行動が起きないので成功しない。ゴールも同じであって、上から具体的に押し付けるものではないのである。
「自己決定する」、これ以上にパワフルなやる気というものは存在しないのだ。
3. コラボできる

Collaboration
チームにおいて、ゴールは個人のためのものではない。1人だけで目指すものでもない。だから、組織のゴールが個人的なゴールに分解されるという考え方はしない。
一つのゴールをみんなで共有して、みんなで目指す。それぞれの役割をもって、相互の能力によって補完し合いながら、みんなでコラボる(協働する)のがGKAの考え方である。
チームは孤独をキライ、閉塞感をキライ、やがて”ワイワイ”を求めるのである。
4. “たのしい”アクションがある

Action on Goalous
画像で日々のアクションを入れる。スマートフォンで世界的に流行しているアプリを想像してみてほしい。そのほとんどすべてが画像をたのしむものである。会社も同じではないか。長ったらしい文章で、しかも昨日も見たような体裁で一部の値だけが変わっている日報のようなものではなく、イメージでパッと認識したい。だれが、なにに向かって、なにしたの?ってことを。
だから!画像でたのしく。
5. 最重要なKRを1つ決める

Top Key Result
KR( Key Result: 主な成果 )とは、ゴール達成のために必要な主たる成果が具体的に示された指標を含むものである。KRはゴールに複数紐づくものであるが、このKRの数が多くあった場合(それ自体理想ではないが)、それらにどうしても優先順をつけてしまうのが人というものである。すべてのKRは、”KEY(鍵となる)”ものであるにも関わらず…だ。
人が一番認識しやすいのは、「1つ」である。であれば、ゴール達成にもっとも重要と考えられるKRをトップKRとして定めればよい。このゴールでなにが大事?トップKRが大事!この思考回路が重要。彼女が複数人いても、もっとも大事な彼女を決めておけば、(仮に)結婚というゴールで迷わない。そんな感じか。
(結婚はゴールではないといわないで…)
大事なことはなにか。シンプルな形で認識した方が、「選択し集中する」という観念ともマッチするではないのだろうか。
ゴール達成に完成モデルはあるのか
Goalousの採用するGKAというモデルの特徴をいくつかご紹介したが、いかがだったろう。
型とかモデルというのは、その性質上、対象を観察しては作り、またぶっ壊し、また作り…それを繰り返してより本質的なモデルへと到達しようとするものだ。
成果を感じられ、また納得のいくまで、理論を修正して進化を続けていきたい。
次回は、具体例でGKAを見てみたい。