工数管理ツールは製品によって機能が異なり、種類も豊富にある。自社にマッチする工数管理ツールを導入するためには、どのように比較検討すれば良いのだろうか。
今回は、工数管理ツールの種類や主な機能と選び方に加え、工数管理ツールを導入する際の注意点について解説する。
工数管理ツールの種類と機能
まずは、工数管理ツールの種類と機能について紹介する。違いを理解したうえで、自社にどのようなツールを導入するか適切に判断しよう。
工数管理ツールの種類
工数管理ツールの種類は、以下のふたつに分けられる。
1.クラウド型
クラウド型は、インターネットを通じてサービスを利用する。初期コストを抑えて導入したいならクラウド型が適している。
クラウド型の工数管理ツールを導入するメリットは、ネット環境があればどこからでも接続可能な点だ。テレワークで業務に従事している社員でも活用でき、タブレット端末などからでもアクセスできる。
一方、データの消失や流出、サイバー攻撃などインターネット特有のリスクがあるため、セキュリティ対策を講じておくことが重要だ。
2.オンプレミス型
オンプレミス型は、社内にサーバーを設置したりアプリをダウンロードしたりして使用する。
セキュリティリスクの軽減を重視するならオンプレミス型が適している。オンプレミス型のメリットは、自社の状況に合わせてカスタマイズが可能な点だ。
一方で、保守管理を行う人材が必要になるなど、導入やランニングコストはクラウド型よりも高くなりやすい傾向にある。
工数管理ツールの機能
工数管理ツールの主な機能を紹介する。工数管理ツールの製品やサービスによって異なるが、一般的なものには以下のような機能が備わっている。
■工数(タスク)管理
作業量やメンバーの権限、スケジュールを管理するための機能。
■予算管理
予算や原価管理を行う機能。支払い超過に対してアラートで通知してくれるものもある。
■レポート、通知
レポート作成や通知などが行える機能。工数を振り返る際にも活用できる。期日の指定やイベントごとなど、レポートとして出力する範囲も設定可能。
■外部ツールとの連携
カレンダーなどに入力した工数や進捗状況などを反映できる機能。
工数管理ツールは、工数そのものの管理だけでなく、担当者ごとの進捗状況や勤怠管理などチームや部署全体の状況を把握するために活用することも可能だ。
工数管理ツールの選び方
工数管理ツールはさまざまな製品が数多くあるため、自社に最適なツールを選ぶことは難しい。では、なにを基準に選択すれば良いのだろうか。
ここからは、工数管理ツールを比較検討する際に確認しておきたい、選び方のポイントを紹介する。
必要な機能があるか
工数管理ツールを選ぶときは、機能が豊富なものを選べば良いというものではない。機能が増えるほどランニングコストがかかりやすいうえに、社員が使いこなせるようになるまでに時間を要するためだ。
ツールの種類によって機能は多岐にわたるため、まずは自社に必要な機能はなにかを明確にすることが重要だ。最低限必要な機能はなにか、なにを優先して機能を選ぶかを確定しておくと良いだろう。
セキュリティ対策はされているか
セキュリティ対策も工数管理ツールを選ぶうえで、重要な比較ポイントになる。
とくにクラウド型はセキュリティ面の確認をしておかなければ、情報漏洩リスクにさらされる恐れがある。
口コミやツールを開発した提供元であるベンダーの情報から、アクセス制限の有無やセキュリティ対策としてなにを講じているかをチェックしておくと良いだろう。
操作性が良いか
操作性も工数管理ツールを比較するポイントだ。操作性が複雑なものはITツールに慣れていない社員の負担増につながる可能性があるからだ。
導入時には社員研修やマニュアル作成なども必要になるため、社員のITツールに対する習熟度に関わらず操作しやすいツールが望まれる。
操作性に加え、視覚的に機能がとらえやすいデザインなどのユーザーインターフェース(UI)の良いツールだと、導入後に社内に浸透しやすくなるだろう。
コストは妥当か
工数管理ツールを比較するうえで、必要な機能の有無とコストのバランスを確認しておくことも重要だ。
ツールを利用する場合、導入コストが必要となる。使用しない機能が多いものを高いコストをかけて導入しないように注意したい。
保守管理にかかる費用なども含め、クラウド型とオンプレミス型のどちらにするか検討し、機能とのバランスをチェックしておこう。
工数管理ツールを導入する際の注意点
工数管理ツールは、導入すれば必ず工数管理が効率化できるとは限らない。ここからは、工数管理ツールを導入する際の注意点について解説する。
入力業務をタスクにする
工数管理ツールを活用する場合、毎日の作業量や作業内容などのデータ入力を行う必要がある。
入力を怠れば工数を正確に管理できないため、入力業務をタスク化し、日常的な業務のひとつとして定着を図ると良いだろう。
工数に関するデータ入力が業務負担となることがないよう、入力がスムーズに行えるシステムを選ぶことも必要だ。
ツールの導入について共有する
工数管理ツールを導入することによって「どのようなことに活用したいのか」「なにを解決したいのか」を明確にし、課題や目的を社内で共有することも欠かせない。
従業員に工数管理ツールを活用し続けてもらうために、定着後に得られるメリットや効果を明確に提示し、運用の方向性なども共有しておきたい。
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まとめ
工数管理ツールは、導入することでなにを解決したいのかを明確にしたうえで選択する必要がある。
ツールをただ導入するだけでは、工数入力などのタスクが増加するだけで、従業員の負担になる可能性があるためだ。
導入前に運用方法についても検討したうえで、必要な機能の備わっている工数管理ツールを選ぶと良いだろう。