人材育成の成功のポイントとは?階級別にわかりやすく解説

執筆者 | 4月 15, 2019 | マネジメント, 人材育成 | コメント0件

人材不足が問題となっている昨今は、新入社員によって人手を増やすことも重要だが、今いる既存社員を育成することも求められる。

しかし、全員が同じ育成方法で育つことはないため、人によって育成方法を変える必要がある。

人事育成を構成する2つの枠組み

人材育成には、狭義の人材育成と広義の人材育成がある。これら2つの育成方法はどちらか一方の活用では成立しないため、どちらの仕組みもうまく構築する必要がある。

狭義の人材育成

狭義の人材育成の代表的なものにはOJT・Off-JT・自己啓発の3種類ある。

OJT

正式名称は「On the Job Training」。
名前のとおり業務の実績を通じて教育を行うものだ。つまり、現場が主体となり実施される実践を交えた人材育成である。

OJTにはプログラム・カリキュラム化されたものとそうでないものがある。新人育成にはプログラム化されたものを用いる場合が多いようだ。

Off-JT

正式名称は「Off the Job Training」。
こちらはOJTとは正反対で業務の実践以外に用意された育成の場、いわゆる研修制度のこと。よく耳にする新卒導入研修や管理職研修などが挙げられる。

自己啓発

企業が用意した教育制度だけではなく、社員自らがスキルアップを目指し行動すること。具体的には外部セミナーの受講・ビジネス書籍を読むことなどである。

広義の人材育成

広義の人材育成の代表的なものには、オンボーディング・人事評価制度・目標管理制度・メンター制度・ジョブローテーション制度がある。

オンボーディング

新しく組織に参加したメンバーが早く活躍できるようになるために行う。新しいメンバーの目的を組織としてサポートする育成方法である。成果を挙げるまでの体験がスムーズとなりやすいため、人材を組織に定着させることができ、優秀な人材として育成できる方法だ。

人事評価制度

従業員が日頃業務を通じて、会社にどれほど貢献しているかを評価すること。貢献度により、昇進・昇給の処遇を反映させる方法だ。正当な評価を行うことで従業員のモチベーションを上げるのが目的とされる。

目標管理制度

個人もしくはグループごとに目標を設定し、目標達成の度合いを評価すること。達成する目標を明確にすることで責任感を与える効果が期待できる。

メンター制度

上司とは別に業務の相談ができる教育係を設置する制度。第三者に相談することができるので必要なスキル・技術を身に付けられるだけでなく、社内のコミュニケーション活性化を促進し、生産性を高めるのが目的だ。

ジョブローテーション制度

社員の新たな能力の開発をする目的の制度。戦略的に部署の異動や職務内容の変更を行う。

新入社員と中堅社員の育成のポイント

人材育成方法は誰にでも同じものが合うわけではない。対象となる人材やシチュエーションによって、変えなければ期待される効果を得られないため、どのような経験をさせるかが重要である。

新入社員

新入社員は社会に出て間もないため、仕事・研修を受けなければならず不安でいっぱいの状態である。そこで厳しくあたるばかりでは、やる気もなくなってしまう。
安心させるため、モチベーションを上げるために褒めることと叱ることを上手に組み合わせる必要がある。

また入社後の人材育成のポイントとして、新人の段階からリーダーシップを身に付けさせることが挙げられる。リーダーシップを身に付けるための流れは3ステップ。

まずは、一緒に働く仲間を信頼し対等な関係を築くパートナーシップ。
2つめのステップは、貢献力と批判力を身に付けるフォロワーシップ。
3つめは自分・仕事・チームへの支援を引き出すボスマネジメントスキルを習得することだ。

若手社員

新入社員の頃と比べて、ある程度スキルを積んだ若手社員が次に身につけるべきなのは、任された仕事をやりきること、自ら考える習慣をもつことだ。

特に、ひとりでも仕事を遂行できるスキルを身に付けてもらえるようにしたい。ひとりでやり遂げることを重点に、基本的な仕事をひとりで進めてもらう。

また、作業ではなく、しっかりした役割を与えることも重要だ。自分の役割を意識できれば、なぜこの仕事をすべきなのか、次に何をすべきか、自ら考えられるようになる。育成のポイントとして、フィードバックをしっかりと行い、サポートするようにしたい。

中堅社員(次世代リーダー社員)

中堅社員の育成ポイントも3つある。

まずは、人数に関わらず部下を持つ経験をさせることだ。
部下を持ったことがない社員が、マネージャークラスになりいきなり育成を頼まれても難しい。早い段階で部下を育成し、組織として業績を上げることを経験させることが重要である。

次に複数の職種を経験させること。上に立つようになり、多様な人材を含むチームを率いるためには様々な職種を経験していないと苦労するためである。

最後のポイントは、キャリアにつながるチャンスを提案することだ。中堅社員になると与えられた仕事を一人でこなせるようになり、自分の成長を実感しづらくなるため、モチベーションが下がる。

成長できる場としてキャリアアップを提案することが必要だ。

管理職

管理職の役割として重要なのは、チームマネジメント、部下の育成だ。組織をうまく回す能力、組織の課題を見つけ改善できるようにする能力が求められる。

管理職の人材育成方法として考えられるのが、マネジメントやコーチングの研修だ。管理職として必要な知識を学び、スキルを向上させることで、管理職に適した人材の育成につながる。

なお、管理職の場合、通常の業務に追われてスキルアップができないという問題が発生しがちだ。ほかの社員に業務を分担するなどして、スキルアップの余裕をもたせるようにすると良い。

人材育成を成功させる方法

人材育成を成功させるためには、どのような方法があるのだろうか。

人材育成の目的を明確にする

人材育成を成功させるには、まず、人材育成の目的を明確にすることだ。どんな人材に育成したいかで育成方法は変わってくる。目的を明確にしたうえで、達成に向けて動いた方が良い。

また、人材育成の目的が明らかだと、誰を育成の対象にするべきかはっきりとしてくる。目的を決めた上で、要件定義や候補者の選定を実施した方が効果的だ。

また、人材育成を成功させるためにも、育成担当者だけで目的を共有するのではなく、育成の対象者にも目的を共有すると良い。

コーチング研修を実施

コーチングとは自分で問題を考え、解決する力を養う手法である。組織の生産性を上げる上では、主体的に動くことのできる人材がどれだけいるかが重要だ。そのため部下がその気になり意欲的に動くように促すスキルを習得するための研修がコーチング研修である。

コーチング研修ではコミュニケーションの使い分けが重要である。上司であればつい自分の意見を述べたくなるが、コーチングは「聴くこと」が基本。聴くことと意見を述べることを上手に使い分けるのがポイントだ。

成長につながる目標設定を行う

組織と個人の成長には適切な目標設定が大切である。あまりに現実と掛け離れた目標は、やる気を下げることとなる。
そして、その目標設定はチームで考え、決定はリーダーが行うというのがポイントだ。通常の目標設定はリーダー同士で協議し合うが、それだと一方に押し付けられていると感じるためである。

チームで目標を決定することで、どうしてこの目標を達成することが重要なのかがわかり、モチベーションを高めることができる。

目標を設定しただけで満足してならず、必要なことは決めた目標に対しやりきる意志である。「達成したいなぁ」と曖昧に抱く感情ではなく、「目標は必ず達成するもの」という強い意志を持つことが重要だ。
目標に責任感を持ち、自分がするべきことを適切に理解し、行動することで企業と個人の成長につながる。

SNS型目標管理ツール、Goalous (ゴーラス) の導入も検討してほしい。
もっと詳しく知りたいあなたは、是非一度セミナーに参加してみよう。

キャリアパスを可視化する

人材育成の成功には、「もっとスキルを上げたい」「仕事をうまく回したい」など、育成対象者自身のモチベーションが重要だ。モチベーションを上げる方法はさまざまだが、そのひとつにキャリアパスを可視化する方法がある。

キャリアパスとは、ある職位に就くまでの道筋のことだ。具体的には、職位ごとの仕事内容、期待される役割、求められるスキルなど、具体的に次の職位に就くのに何が必要か、イメージしやすい内容で可視化すると良い。

実践できる機会を設ける

人材育成の方法として研修を行うことも重要だが、研修だけでは十分に力を引き出せるとは限らない。研修以外にも、実際に研修で学んだことを実践できる機会を設けることが育成には重要だ。

具体的には、新たな業務を割り振ったり、権限を委譲したりして、学んだことを実践できるような環境にする。

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まとめ

人材育成は人と人とが向かい合うものなので、機械的にシステム化をすることはできない。加えて、一人ひとり考え方・感じ方が違うため大変難しいことでもある。

しかし、それぞれの立場に合わせた人材育成方法のポイントを押さえることで個人の成長も、企業の成長も見込める。
企業の生産性アップのためにも人材育成は手を抜いてはならないものである。

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