社員のモチベーションを上げる!人事考課の書き方と例文

執筆者 | 9月 2, 2021 | マネジメント, モチベーション, 人事評価 | コメント0件

企業において、実績や努力に対する評価を適切に行うことは、社員のエンゲージメント向上や離職率の低下など幅広い効果が得られる重要なものだ。

では、人事考課はどのような目的で書けば、そのような効果を引き出すことができるのだろうか。今回は、人事考課の書き方や注意点と業種ごとの例文について紹介する。

人事考課の書き方

人事考課を書くうえで、まずは人事考課の目的や注意点について確認しておく必要がある。ここからは、人事考課の目的や趣旨、人事考課を書く際に押さえておきたい3つの評価軸などの注意点について紹介する。

人事考課の目的

人事考課の目的は、給与や昇進などに関わる人事面の待遇を決定するために、社員のスキルや貢献度を査定することにある。

一般的な人事評価に近い役割があり、企業によっては人事評価と同じように取り扱っていることも少なくない。

人事考課が人事評価と異なるのは、給与や昇進などの待遇を決定するための能力の客観的評定を意味する点にある。

人事評価の場合、これまで行ってきた業務プロセスや実績などを評価するが、人事考課では能力面も考慮される点が特徴だ。

適正な人事考課を行うことで、社員の不満を未然に防ぐことにもつながるため、人事考課の評定基準は明確にしておくことが重要になる。

人事考課を書く際の注意点

人事考課を書く際の注意点について紹介する。人事考課には3つの評価軸があり、それぞれの視点から社員の能力を評価していくことになる。

・業績考課
ある一定の期間内に社員が挙げた業績やプロセスを評価すること。

・能力考課
難度が高い仕事を完遂させる能力やトラブル時の迅速な対応など、社員の能力面を評価すること。
・情意考課
勤務態度やコミュニケーションの取り方、業務への取り組み方などを評価すること。行動効果や執務態度考課と呼ばれることもある。

これら3つの視点から評価を行い、社員のモチベーションを上げる書き方をすることが重要だ。

評価に至った経緯や背景、前向きにとらえられるような評価を交えて、納得できる内容を提示したい。


職種ごとの人事考課の例文と評価ポイント

ここからは、職種ごとの人事考課の例文や評価ポイントについて紹介する。

営業職

営業職は、人事考課において業績考課が重視されやすい傾向にある。そのような中で営業職の人事考課の質を上げるためには、能力考課や情意考課に関する内容も記載すると良いだろう。

業績だけでなく普段の仕事への取り組み方や、話術などの能力面も評価し、数値として目に見えない点もしっかりと評価したい。

■営業職の人事考課例文
前年比123%という数字は、過去に例を見ない優秀なものであり、自身のノウハウをメンバーに共有し、チーム全体の営業成績105%達成を実現したのは大いに評価に値する。

しかし、在庫管理部門との連携不足による納期の遅れなどが見られたため、今後の損失拡大や既存顧客満足度を上げるための課題として挙げられる。

企画職

企画職は、企画アイデアの発案力だけでなく、交渉力やコミュニケーション能力も評価する必要がある。また、正確なデータ分析力など、マーケットの状況を把握する能力についても触れておくと良いだろう。

■企画職の人事考課例文
昨年度需要が振るわなかった〇〇のリメイクに着手し、広報部署との連携によってSNSで注目を集めて前回比200%を上回るシェアを獲得したのは、企画・宣伝力は非常に優れていると評価できる。

広報部署が提案したテレビCMではなく、SNSに重点を置いたマーケット戦略は、優れたプレゼンによって広報部署を納得させることができた点も大きい。

ターゲットとなる10代のSNSユーザーが多いこと、写真映えするパッケージの提案も含めてデータ分析に基づく提案は目を見張るものがある。今後はメンバーの進捗管理にも注力し、部下のフォローなどでタスク処理のスピードアップを期待したい。

事務職

事務職の人事考課は、営業職などのように具体的な業績数値がないため、可視化が難しい点が挙げられる。そのため、日ごろの仕事ぶりやスキルなどを評価すると良い。

■事務職の人事考課例文
アナログ管理を行っていた〇〇業務を効率化するために、デジタル化に踏み切った判断は大いに評価できる。デジタル化移行にともなう業務負担があったものの、移行後は格段に〇〇の事務処理スピードが向上した。

しかし、業務効率化やタスク処理スピードは目を見張る能力が光るものの、他部署からの問い合わせ対応に時間を要することが多い点が課題として挙げられる。

効果的な人事考課を書くためのポイント

効果的な人事考課を書くためには、先入観や主観による評価を行わないことだ。客観的な根拠をもとにした公平な評価を行うことが重要になる。

しかし、客観的な根拠としてどのような情報が、人事考課に反映できるものなのか判断することは難しい。

そのような場合に、客観的に社員を評価するにはGoalous(ゴーラス)の導入をおすすめしたい。

Goalousに備わっている評価機能を使えば、目標達成までのプロセスや結果・進捗状況を可視化でき、公正な評価を行えるようになるためだ。

また、Goalousを開発・運営しているColorkrewでは、効果的な人事考課作成に役立つウェビナーも開催している。

社員のモチベーションアップにつながる人事考課作成に反映できる、エンゲージメント向上のポイントについて紹介しているので参考になるだろう。

人事考課の書き方や社員のモチベーション・エンゲージメントアップにつながる組織運営の方法について解説を行うので、参加を検討してみてはいかがだろうか。

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まとめ

人事考課の書き方は、業種や部署によって異なるため注意が必要だ。共通するのは「いかに部下のモチベーションを引き出せるか」という点であり、評価と課題の提示両方を盛り込む必要がある。

客観的な業績成果や達成したことに加え、組織の中でどのような役割を果たしてくれたかを適切に評価できるようにしたい。
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