「新入社員にはもっと積極的になってほしい」と思ったことは何度もあるかもしれない。働きかけを行ってもうまくいっていないなら、原因や解決方法を一から見直すことが必要だ。
この記事では、新入社員が積極的になれない原因、意欲的な人材に育てるための育成方法について紹介する。
新入社員に積極性がない理由
ある企業が行った新入社員を対象にした意識調査において、「社員の資質の中でもっとも自信がない点は?」という質問に対し回答が多かったのが「積極性」であった。
育成担当者などが新入社員の積極性のなさを問題に感じているのと同じように、新入社員もまた、自身の積極性のなさを問題に感じていることがわかる。
なぜ積極性が不足していることを自覚しているにもかかわらず、積極的に行動できないのだろうか。そこには、新入社員ならではの状況もある。
新しい環境に慣れていない
新入社員に積極性がない理由のひとつは、環境に慣れていないことにある。入社したばかりの職場では、緊張するものだ。なかなか緊張がほぐれず、積極的になれない新入社員は多い。
ほかにも、仕事の概要や全体像の理解が追い付かず、何をすべきか、どんな行動をとるべきかわからないというのもあるだろう。
「わからないなら聞けばいい」と思うかもしれないが、何がわからないかを本人が把握できていないため、わからなくても積極的に質問しない状態に陥っていることもある。
上司や育成担当者は、仕事への理解が不足しているために積極的になれない新入社員も多いことを理解しておく必要がある。
理解できていても表現できない
もうひとつ、新入社員が積極的でないと感じる理由は、理解はできていてもアウトプットできないためだ。頭では仕事の内容、質問したいことを理解していても、行動に移したり、言語化したりなど、アウトプットがうまくできない人が多い。
これは、スマートフォンやSNSの普及により、直接的なコミュニケーションの機会が減ったことがひとつの要因としていわれている。ネット上のやり取りは、どうしても短文で終わってしまうため、長文で表現したり、直接的に思いを伝えたりといったことに慣れていない人が若い世代には多い。
以上のように、新入社員が積極的になれない理由には、そもそもの理解ができていないこと、理解はできていてもアウトプットできないことがあげられる。上司や育成担当者は、どちらの理由で積極的になれないのか、よく見極め、サポートしていく必要があるだろう。
積極性に課題のある新入社員の育成方法
積極性に課題のある新入社員に積極性をもたせるにはどうすれば良いのだろう。ここでは、積極性を育むための育成方法を紹介する。
目的意識を持たせる
新入社員が積極的になれないのは、仕事の概要や全体像を把握できていないことも理由だと説明した。このことから、上司は部下に対して、ただ仕事を与えるだけになってはいないか、改めて見直す必要がある。
積極性を育むには、新入社員の育成状況に合ったゴールを設定することだ。ゴールが明確になれば、何のために仕事をしているのか、ゴールを達成するために何が必要か把握できるようになる。
重要なのは、個人に目的意識を持ってもらうよう働きかけるのではなく、社内全体に目的意識を浸透させることだ。目的意識を持って仕事に取り組む社員が増えれば、相乗効果が生まれる。
目的意識を持たせる方法については、以下の記事で詳細を説明しているので、参考にされると良いだろう。
「部下に目的意識を持たせる方法とは?社内共有の重要性」
コミュニケーションを積極的にとる
積極的に動かない新入社員に対して、つい感情的になったり、言葉にしなくても態度に出ていたりしないだろうか。上司や社内の厳しい態度は、新入社員の積極性を妨げてしまう。
また、言葉や態度で示したつもりはなくても、話しかけづらい雰囲気が出ていると、新入社員は質問を躊躇してしまうものだ。直属の上司はもちろん、社内全体で話しかけやすい環境をつくることが重要だ。
話しかけやすい環境のために必要なのが、上司などからの積極的なコミュニケーションである。発言することの重要性を伝えると同時に、上司からも仕事に問題はないか会話する機会を作ると良い。
また、新入社員が何か話したそうにしているのであれば、親身になって話を聞く姿勢も心掛けたい。話を聞いてくれる味方が社内にいると感じられれば、信頼関係ができ、自然に質問などができるようになっていく。
新入社員のエンゲージメントを高める
エンゲージメントとは、社員の愛社精神や企業との絆を表す指数をいう。エンゲージメントが高まれば、仕事に対して積極的に向き合えるようになるため、新入社員のエンゲージメントを高める働きかけも意識したい。
新入社員のエンゲージメントの高め方を知りたいなら、以下のGoalous(ゴーラス)のセミナーがおすすめだ。
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また、新入社員との積極的なコミュニケーション、社内エンゲージメントの向上を図るなら、Goalousの導入も検討してみると良い。ゴール設定、SNS感覚のメッセージのやり取り、フォトアクションなどの機能で、新入社員の積極性を育むのに役立てられる。
まとめ
新入社員が積極的になれないのには理由がある。新入社員に積極的になってもらいたいなら、積極的になれない原因を把握し、原因にあった対処法で積極性を促すことが重要だ。