よいゴール(目標)設定とは何か

よい・わるい

よいゴール(目標)設定について考えたい。考えたくてたまらない。我慢できなくなってきた気がいたします。

よいとか、わるいとか。良いとか、悪いとか。”善”いとか漢字を変えたりして。やがて、メリットとかデメリットとか。。。言葉の定義から出発して申し訳ないが、だって孔子だってさ、「政治をするとしたらまず何をするか」という弟子の子路の質問に対して、こういってる。

<漢 文> 必也正名乎
<書下文> 必ずや名を正さんか
<現代訳> まず言葉を正すだろう
Source: 論語

さらに、モノの名前を正しく使わなければ、言葉の意味が混乱する。言葉の意味が妥当でないと、何事もなしえない。何事もなしえなければ、文化が盛んになることもない。と、孔子はこのように回答を続けている。

言葉だろうが画像だろうが、常に受け取り側の解釈を免れない。ただし、言葉で伝えている以上、言葉がぐちゃぐちゃだと正確に伝えることが困難だから、まず名を正す作業が常に必要だ。「信号機が青になったら進んでよい」という単純な指示でも、”信号機”がなにかわかっていて、”実際は緑っぽく見えるやつが実は青と呼んでいる的な色彩認識”もあって初めて成立する。解釈の差を埋めなければ、正反対の行動にいたることだってあるのだ!ただ、あんまりいうとタダのメンドくさい奴になってしまうので、わかった上で省略していくという生き方がよいかもしれぬ。

では、よいゴール。ゴールはいつか説明した通りで、「将来的に達成したいことの目印」だ。では”よい”とは何か。よいとは価値判断した判定結果を示す言葉であろう。似た言葉に「正しい」ってのもある。この本質は、「対象物への理解において、納得して安定した感情を抱くことが可能かどうか」という判定基準だ。この解釈は、観点によって変化する。

たとえば、50km/hで走る車を僕は歩道から見てるが、確かに50km/hだ。しかし、同じく50km/hで走る対向車から見れば、さっきの車は100km/hで走っている。相対速度だ。この例は、観点、つまりどこから見るかによって判定結果は変わることを示している。

よいゴールといったときに、どこから見ようか。この場合、「チームの中で」という観点とする。これも繰り返すが、「チーム」とは、「共通ゴールを協働して目指す集団」のことだ。したがって、よいゴールとは、チームとしてより高いパフォーマンスを示すことができるゴールのことである。

SMARTなゴール

チームとしてより高いパフォーマンスを示すことができるようなゴールを作る。これが「よいゴール設定」の目的だ。サンプルで考えよう。

…と思ったけども、ところで、企業人事は誰もが知っているが、1981年11月にジョージ・ドランにより発表された”S.M.A.R.T. way”というゴール設定の手法が存在する。

There’s a S.M.A.R.T. way to write management’s goals and objectives
Source: Management Review. George T. Doran (1981)

George Doran
George Doran video

SMARTは5つの単語を略したもので、現在ではこれらに複数の単語が当てられている。後の者たちが都合の良いようにしたのだろう。だが、ここでは元来ジョージが提唱した単語を採用しておく。

  • Specific – 具体的な
  • Measurable – 測定できる
  • Assignable – アサインできる
  • Realistic – リアルな
  • Time-related – 有期的な

  • これらは「ゴール設定」の前提条件として妥当ではあるが、決して「よいゴール」になるものではない。SMARTの詳細は、いずれ触れたいと思う。

    よいゴール設定

    では、サンプルで考える。その前に、まずチーム(企業)ビジョンを仮に決めておこう。ビジョンがなければ、ゴールの方向性が妥当かどうか判断できないからだ。

    Vision
    世界に冠たる企業向けアプリケーション提供企業になる

    “世界に冠たる”とか抽象的だね。だが、感情の昂揚をもたらす表現がビジョンにおいては大事だ。
    では、このビジョンに向かう過程において、どんなゴールが考えられるだろうか。我々のサービスであるGoalousを例にしてみよう。とりあえず、話を戻さないためにSMARTの条件は満たしておこう。

    初めに考えたゴール
    自分が、2020年までに、日本で1万人のGoalousユーザーを獲得する

    このゴールをいくつかの視点からより”よく”してみたい。

    1. ビジョンとの関連性
    真っ先に考えたらいいのは、ビジョンとの関連性だ。たった”1つ”のアプリで”1万人”集めただけで、”世界に冠たる”アプリケーション提供企業とはいえない。少なくともGoalousという1サービスだけではない種類を提供したい。ここでは、複数のアプリをまとめて「シゴトアプリ」と呼ぼう。また世界と謳っているわけだから、日本だけではダメだ。グローバルだ。相手が広がったので、獲得したい人数も10倍にしよう。

    ビジョンに近づけた
    自分が、2020年までに、グローバルで10万人のシゴトアプリ利用ユーザーを獲得する

    ビジョンにより近いでしょう。

    2. 影響範囲
    ゴールがだれに影響するのか、だ。これには2つの要素がある。ゴールに誰が割り当てられていて、誰にその効果を与えるのか。まず”誰が”という要素。”自分”としていたが、これを広げてプロジェクトチーム(Goalous Team)にする。いやもっと広げよう。社員全員だ。2つ目の「誰に」その効果を与えるか。これは先ほどグローバルという範囲に最大化したのでこれ以上はないが、影響人数はさらに100倍に増やしてみる。

    影響範囲を広げた
    全社員が、2020年までに、グローバルで1,000万人のシゴトアプリ利用ユーザーを獲得する

    レベルが変わってきたでしょう。

    3. 現状の延長を超える
    2020年をもっと早くする。1,ooo万人の10倍ぐらいにもっとぶっ飛ばす。

    現状の延長を超えた
    全社員が、2018年までに、グローバルで1億人のシゴトアプリ利用ユーザーを獲得する

    ビビっちゃうぐらいになったでしょう!

    方向同じく ・ 大きく ・ 高く

    チーム(この場合、ある企業の従業員)として、よいゴールというのは、3つの視点があるということ。カンタンにいうならば、「方向同じく ・ 大きく ・ 高く」となる。修正前と修正後をみてみよう。

    修正前
    自分が、2020年までに、日本で1万人のGoalousユーザーを獲得する
    修正後
    全社員が、2018年までに、グローバルで1億人のシゴトアプリ利用ユーザーを獲得する

    ゴールを、ビジョンに近づけたり、影響大きくしたり、実現できるかわかんないぐらい高くしたり…することで注意しなければならないのは、「Realistic(リアルな)」だ。つまり、実現可能性である。あまりに遠いゴールはそもそも夢物語であって、そこにワクワク感がなくなる。最後にどの程度までの可能性が残されていればいいかを提案したい。

    アメリカの行動心理学者アトキンソン (J.W.Atkinson) は、主観的成功確率が50%のときにもっともモチベーションが高まると研究結果を出した。つまり、コインの裏表を当てる程度の成功確率だと想像できるようなゴールがもっともモチベーションが高まる、ってことなのだろう。

    確率50%ぐらいがRealisticの限界値だ

    ということで。修正後のゴールが50%なのかどうかは、一旦置いておいて。。。

    投稿者: Kohei Kikuchi

    Kohei Kikuchi is the Goalous project leader.

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