外国人とのコミュニケーションにおける問題

執筆者 | 5月 21, 2020 | グローバル, コミュニケーション, マネジメント | コメント0件

グローバル展開で、海外に進出する日本企業、国内でも外国人を積極的に採用する企業も増えてきた。しかし、ほとんど下地のない状態で日本人と外国人が働く環境となると、それぞれの文化への理解、言葉の理解以外にも、コミュニケーションの壁にぶつかることがある。

この記事では、日本人と外国人が一緒に仕事をするうえで生じやすい問題について考え、その解決策を講じていく。

外国人社員とのコミュニケーションで生じる問題

共通の言語で会話できるだけでは、日本人と外国人間のコミュニケーションは円滑には進まない。ここでは、日本人と外国人社員との間で起こるコミュニケーションの問題を挙げる。

日本語の曖昧な言い方に戸惑う

「早めに仕上げてください」「できるだけ達成できるようにしてください」といった、日本語の表現は、外国人には伝わりにくい。

日本人がこのように聞いたら、例外もあると思うが、「早めに仕上げてください=優先してすぐにでも仕上げて欲しい」「できるだけ達成できるようにしてください=少なくともここまでは達成して欲しい」と解釈することだろう。

しかし、こうした曖昧な表現だと、外国人は「できるだけ達成できるようにしてください=別に達成できなくても良い」などと捉えてしまう可能性もある。これは、日本人と外国人との間で、文脈が暗黙の了解として共有化されていないためだ。

日本のように、文脈や状況によって理解する文化を、ハイコンテクストという。ハイコンテクストなコミュニケーションは、多くの価値観を共有できる日本人同士ならうまくいくだろう。

しかし、日本人とは背景や文化が違う外国人には、日本的な価値観の共有がうまくできないため、曖昧な言葉では伝わらない。「早めにといってもいつまでなのか?」など、はっきりしない表現に戸惑ってしまう。

言葉の背景が伝わりにくい

日本人同士で話しているとき、抜けている部分があっても、だいたいの内容を自然に推測することができる。日本人は、察することに慣れているためだ。

また、「これ」や「あれ」などの対象物が曖昧なものであったとしても、前後の文脈である程度は理解できる。これも同じ理由で、日本人が自然に相手の言わんとすることを察する能力を日常の中で身に着けているためといえるだろう。同じように、遠回しな表現であっても、日本人同士なら相手の言いたいことを理解できるはずだ。

しかし、これを外国人相手に発動してしまうと、途端にコミュニケーションが難しくなる。自分の伝えたいことは直接的に言葉にするローコンテクストな文化を育んできた国も多いためだ。これは、異なる文化が交わる過程においてごく当然ともいえる。

しかし、日本は長い間、日本人的なコミュニティで価値観を共有してきた。そのため、「このくらいは言わなくも分かるだろう」とつい考えてしまう。こうした思い違いが、外国人とのコミュニケーションを難しくしていることは肝に銘じておくべきだ

外国人社員とコミュニケーションするときに意識したい2つのポイント

ここからは、外国人とのコミュニケーションの問題を踏まえ、意識したいコミュニケーションのポイントを紹介する。

わかりやすい言葉を使う

外国人とのコミュニケーションで誤解を生じさせないポイントは、Yes、No、どちらにもとれるような言葉を使わないことだ。できるだけシンプルに、わかりやすい言葉に置き換えて、相手も反応しやすい言葉でコミュニケーションを図る。

安易にこれくらいなら分かるだろうと判断しないことだ。たとえば専門職なら、難しい専門用語を多用したばかりにコミュニケーションがうまくいかなくなることもある。

もちろん個々で日本語の習得レベルは異なるが、はじめから知っているだろう、を前提にコミュニケーションをとるのは良くない。重要な部分や、理解してもらいたい部分は、特に意識してゆっくり話す工夫も必要だろう。

過度な謙遜をしない

褒められて謙遜することは、日本ではごく当たり前のようになっており、一種のコミュニケーションにもなっている。

しかし、コミュニケーションをより直接的な会話で成り立たせているローコンテクストな文化で育ってきた外国人、謙遜の文化がない外国人にとっては理解しがたい部分だろう。

謙遜することで文字通りに受け取ってしまうこともあり、なぜ日本人は自信がないのかと誤解が生じるだけでなく、コミュニケーションもうまくいかなくなる可能性がある

褒め言葉は素直に受け取る意識を持ち、何か伝えたいことがあれば遠回しに話さずにストレートに伝えることが外国人とのコミュニケーションには必要だ。

翻訳機能が搭載されている社内SNSのGoalous(ゴーラス)なら、母国語同士でもコミュニケーションが図れるので、業務連絡もより円滑に進められるようになる。

チームで決めた目標をフォトアクションで共有できるのもポイントだ。文字や言葉では伝わりにくい部分も視覚的に伝えることができるフォトアクションで、明確に共有することができる。お互いの進捗状況を共有する報連相にも役立てることができるだろう。

Goalous(ゴーラス)で、日本人と外国人間のコミュニケーションの問題も解決しつつ、チームとしての目標管理の達成を目指されてはいかがだろうか。

まとめ

日本語レベルの高い外国人であっても、日本的なコミュニケーションが通じないことがある。コミュニケーションを活性化させるには、まずは日本的なコミュニケーションの問題を理解し、外国人も理解しやすいように改善していくことが重要だ。

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