社員の自主性やモラルを高める!オープンブックマネジメントとは?

執筆者 | 6月 8, 2021 | マネジメント, 人材育成 | コメント0件

社員のパフォーマンスが思うように上がらないことに頭を抱える人事担当者も多いのではないだろうか。パフォーマンス向上のヒントのひとつに、オープンブックマネジメントがある。

この記事では、オープンブックマネジメントの概要と導入のメリット、導入のポイントについて解説していく。

「オープンブックマネジメント」とはどんな経営手法なのか

オープンブックマネジメントにおける“ブック”は、企業の業績管理指標のことだ。

つまり、オープンブックマネジメントとは、会計情報のような自社の経営数値を社員に開示することで、全員参加型の経営を図ることを表す。20世紀末に提唱された経営手法だ。

上場企業などにおいては、法律により会計情報などの開示が義務付けられているため、社員は企業のホームページなどで情報を取得できる。しかし、中小企業には、上場企業などのような会計情報の公開義務はない。

情報の公開義務がない中小企業においては、社員が容易に社内の会計情報などにアクセスできない。会社が情報を開示しない限り、社員は会社全体の状況を指標として把握することは不可能だ。

オープンブックマネジメントは、会社の情報を社員に開示することによって経営に参加してもらい、経営状況を意識してもらうことが目的だ。

オープンブックマネジメントにすることのメリット

なぜ経営層だけにとどまらず、社員にまで会計情報などの業績管理指標を開示するべきなのか。以下、オープンブックマネジメントのふたつのメリットから、開示の必要性について考えてみたい。

メリット1.経営者感覚が身につく

オープンマネジメントは、社員が会社の経営状況を数値として知ることができる経営手法だ。会社の売上は伸びているか、利益は順調に出ているか、明確にわかる。

利益が出ていないなら、どうすれば状況を改善できるか、社員一人ひとりが経営者的視点で考えられることがメリットのひとつだ。

メリット2.自主性がうながされる

会社の経営状況が悪化すると、社員の給与や賞与、あるいは雇用にも影響することがある。自分自身にも関係のあることなのだとわかれば、「もっと仕事を工夫しなくては」「真剣に取り組まなくては」と意識も変わり、自主性も育つだろう。

オープンブックマネジメントによって社員一人ひとりが高い意識をもつことによって、結果として組織全体のモラルが高まるメリットもある。


オープンブックマネジメント導入のポイント

オープンブックマネジメントによる情報開示は、社員にとっても、会社にとってもメリットがあるが、方法を誤ると期待する効果は得られなくなるだろう。この項では、オープンブックマネジメントを取り入れる上で重要なポイントふたつを紹介したい。

経営数値について社員教育を行う

日々、業績管理指標を目にしている経営層なら、会計情報を見ただけで会社の状況、経営状況をある程度把握することが可能だろう。しかし、社員がみなそうとは限らない。経営数値に関する知識について差があるのが通常だ。

情報を読み取れる社員は問題ないかもしれないが、読み取れない社員にとっては業績管理指標の開示も意味のないものになってしまう。オープンブックマネジメントを取り入れるなら、社員教育も同時に行う必要がある

売上総利益(粗利益)や営業利益のような損益計算書の見方、資産・負債・純資産のような貸借対照表の見方など、利益の仕組みや数値の見方を社員に説明する。

社員に向けた説明は、わかりやすく、誰もが納得できるものにする必要がある。内部留保(会社に留保している利益)が大きければ、なぜ会社に利益を残す必要があるのか、可能であれば利益のうち社員に還元する分なども説明すると良いだろう。

情報共有がしやすい環境を整える

オープンブックマネジメントによって情報を開示しても、社員がアクセスできるような環境にないと、目的を果たすことは難しいだろう。社員教育を行うと同時に、情報共有のやり方についてもよく検討すべきだ。

開示する自社の経営数値については、社員だれもがアクセスできるような、情報共有しやすい環境が望ましい。具体的な方法としては、タスク管理ツールやナレッジメントツール、社内SNSなど、社内での情報共有に使えるツールを利用するのが良いだろう。

情報共有に便利なツールとしては、SNS型目標管理ツールであるGoalous(ゴーラス)もおすすめだ。Goalousなら、メッセージ機能に加え、独自のゴール機能も活用できる。

情報共有がスムーズになるだけでなく、共有した数値を会社やチームのゴールと紐づけて利用することも可能だ。Goalousを使ったオープンブックマネジメントを検討してみてはいかがだろか。

Goalousを開発したColorkrewでは、組織改善に役立つ無料セミナーも開催している。より良い組織にするため、セミナーから情報を取得することも手段のひとつだ。

まとめ

「求心力が足りていない」「社員のパフォーマンスが上らない」と感じているのなら、オープンブックマネジメントで、社員に経営情報を公開することを考えてみてはいかがだろうか。

これまで不透明だった会社の業績管理指標が社員に開示されることで、社員の会社に対する見方、仕事への取り組み方にも変化がみられるかもしれない。より良い効果を期待するなら、事前の社員教育、社内共有のやり方も検討すると良いだろう。
管理職が選ぶ目標管理ツールNo,1